バカラ攻略法ですが、これは単純なようでいてなかなかに難しい問題です。バカラとはカジノで行われているギャンブルの一つで、日本国内には少なくとも今のところは合法的なカジノが存在しないにも関わらず名前を知っている人は多いでしょう。これは良くニュースで取り上げられることがあるためで、ニュースである以上は人目を引くスキャンダラスなものが多いことを割り引いて考える必要性はあるものの、誰か有名人が海外の賭博場で大金を失ったとか、国内であれば非合法な闇カジノが摘発されたといった話があるたびに、そこで遊ばれていたゲームはバカラだという内容がセットになっていたりします。
実際、カジノでは非常に多くの種類のゲームが行われており、それぞれに人気があるものの、ギャンブルの王様と言えばバカラというのが定番になっています。ゲームが単純で分かりやすいこと、1回の勝負の決着が早いことなどがその理由と思われます。このゲームでは、バンカーとプレイヤーの2名が勝負をする形を取ります。ただしこの2名は現実の存在ではなく、あくまで架空のものです。プレイヤーという名前が付けられてはいても、それは賭けに参加する人のことを直接的に意味するわけではありません。その証拠に、賭けをする場合にはバンカー側であってもプレイヤー側であってもどちらにも賭けることができます。プレイヤーの勝ちにしか賭けられないといったことは一切ありませんし、バンカー側の勝ちに賭けることはルール上問題ないだけではなく、マナーの上での話であっても何の問題もありません。
そして、基本的にはどちらもディーラー側によってカードが配られることになります。となると、あまりこのゲームのことを知らない人はディーラーが自由にというか、少なくともある程度までは勝敗を左右できてしまうのではないか、意図的にバンカーが負けるように仕向けたり、その逆も可能ではないかと思うかもしれません。ですが、このようなことは不可能になっています。これはそのような意図的な敗退行為をすると周囲の誰かに気づかれてしまうからといった、人に依存する仕組みではありません。そうではなくて、ルール上、そのようなことは一切できない仕組みになっているのです。言い換えれば、ディーラーは確かにバンカーとプレイヤーの2名にカードを配りますが、その後、何か戦略的な思考によって追加のカードを引くか、それとも配られたカードで勝負するかを判断する余地は設けられていません。もう1枚カードを引くか、それとももう引かずにそこで勝負するかは事前にルール上で厳密に定められており、戦略とか判断、スキルやテクニックといったものが介入する余地はないのです。
この意味でディーラーはただの機械に過ぎません。もちろん、エンターテナーとしてその場を盛り上げるために一役買っていることは事実でしょうが、勝負に関して言えば機械的に行っているに過ぎないということです。ですので、あのディーラーは強いとか、あのディーラーのテーブルでは勝てる気がしないなどという感想は、少なくとも論理的に説明できるようなものではなく、率直に言えばこのゲームの本質を何も理解していない妄言と言われても致し方ありません。運とか流れといった論理では説明できない要因まで包含しているわけではないと言われればそれまでですが、そこまで分かった上で話している人は少ないものです。
バカラでは、2枚または3枚のカードの合計の下一桁が9に近いほうが勝ちです。同じであれば単純に引き分けとなり、また絵札は全て10と扱います。まず各自に2枚のカードが配られ、ここでどちらか少なくとも一方が9点または8点の場合はそこで勝負は決することになり、どちらも3枚目のカードは引きません。相手は8点で自分が3点の場合、向こうは8点でそのまま勝負するのは合理的ですが、こちらはもう1枚カードを引いてそれが6であった場合、合計は9点になり相手を上回ります。5であっても合計8点で引き分けに持ち込めます。ですのでもう1枚引きたくなりますが、これはルール上認められません。どちらか少なくとも一方が8点なのでそこで勝負ありとされるのです。
どちらも8点または9点でない場合ですが、もしどちらも6点あるいは7点のときにもそこで勝負は決します。このケースは先ほどとは異なり、二人ともに6点または7点である必要があります。相手が6点で自分が3点の場合は、少なくともその場で勝負は決しません。
ここまでに挙げたケースに当てはまらない場合、プレイヤー側が5点以下の場合には3枚目のカードが自動的に配られます。6点または7点の場合には配られません。一方、ディーラー側の3枚目に関してはかなり複雑なルールがあり、それはバンカー側の2枚のカードの合計点だけでなく、プレイヤー側に配られた3枚目のカードの数字にも依存してくるようになっています。